進行性核上性麻痺 PSP
【問診】
転びやすい
振戦がない
【身体所見】
体幹の筋強剛
歩幅が広い
項部後屈
頸部はやや後屈位で,頸部ジストニアと判定される.矢印は胸鎖乳突筋と思われるが,不自然に緊張しているのが見て取れる.また,Parkinson病のように前屈位ではないことも特徴である.
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【検査】
頭部単純MRIのT1強調矢状断像
延髄と橋底部の張り出しは正常の輪郭に見える.小脳(正中部)は,上葉(上半分)で小脳葉が開いて見えるがこれは正常所見である.中脳被蓋部(*)は,全体に細くて先細りになるハチ鳥サイン(hummingbird sign)を呈している.これは中脳被蓋部の萎縮を示し,進行性核上性麻痺の所見である.脳幹全体のバランスを考慮すると橋底部の張り出しに対して中脳が小さく,脳幹全体が羽を広げたペンギンのように見える.橋底部が広げた羽で,中脳(*)がペンギンの頭に相当する.これも進行性核上性麻痺を示唆する画像所見(ペンギン・サイン)である.
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